俳句・短歌 詩 記憶 大切なもの 2026.02.20 年月を重ねるにつれて海馬の力が弱ってくる…あなたの顔や目の動き、若い時と3年前の声のちがい 海馬によって 【第1回】 Akiko Smith 記憶の糸をたぐり寄せながら、今日という日をそっと抱きしめる この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 忘れたくない記憶も、忘れてしまいそうな記憶も、どちらも今をつくる大切なかけら。心の奥でそっと息づく想いを綴った詩72編。※本記事は、Akiko Smith氏の書籍『海馬によって』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 海馬によって 未練 海馬に集められた 数々の記憶 長期にわたるものと 短期のものと判断されるそうな 未練というもの 長期の海馬の記憶 捨てられないで 残存し続ける
小説 『泥の中で咲け[文庫改訂版](注目連載ピックアップ)』 【第21回】 松谷 美善 遺体になって初めて見た、母の足の指はひどく曲がっていた…その理由は、1日3万歩近く歩き、一軒一軒住宅地を訪問して… 【前回記事を読む】男の患者は、男性看護師が担当するルールらしい…ナースコールで貰った水が『冷たくない』と伝えると、男性看護師は…母の会社の人に聞いた話だが、一日三万歩近くも歩き、住宅地を一軒一軒訪問して、ガス器具を売り歩いていた。遺体になって初めて見た、母の足先はひどい外反母趾になっていた。些細な理由で高校に行かなくなり、毎日怠惰な生活を送っていた私を、母はどんな思いで見ていただろう。母は本当に…
小説 『月にしみ入る恋の花』 【新連載】 フランキー・ココア 「ちぃと口を開けておくんなし…」と、太夫が僕の口になにか小粒をぽんと放り込んだ。そのとき彼女の指が唇に触れて… 吉原に一つしかない大門を通り抜け、仲ノ町に足を踏み入れながら、僕は大きくため息を吐きました。「会いたい――でも会いたくない」物憂げに秋入梅(あきついり)の空を見上げながら、自分が初めて吉原に来た日のことを思い返しました。僕が吉原に通い始めたのは、まだ桜の蕾が膨らみ始めた頃。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの大店の豪商が、近々、身請けする花魁の艶姿(あですがた)を残したいと、美人画を得意とする絵師である僕に…