俳句・短歌 詩 記憶 大切なもの 2026.02.20 年月を重ねるにつれて海馬の力が弱ってくる…あなたの顔や目の動き、若い時と3年前の声のちがい 海馬によって 【第1回】 Akiko Smith 記憶の糸をたぐり寄せながら、今日という日をそっと抱きしめる この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 忘れたくない記憶も、忘れてしまいそうな記憶も、どちらも今をつくる大切なかけら。心の奥でそっと息づく想いを綴った詩72編。※本記事は、Akiko Smith氏の書籍『海馬によって』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 海馬によって 未練 海馬に集められた 数々の記憶 長期にわたるものと 短期のものと判断されるそうな 未練というもの 長期の海馬の記憶 捨てられないで 残存し続ける
小説 『火点し時』 【第8回】 順菜 隣の部屋の男から誘われた。つい昨夜、別の女性と愛し合う“あの声”が聞こえたのに、今度は私? 不審には思ったが… 【前回記事を読む】隣の部屋から声がした。男女の、抑揚ある溜め息まじりの…すぐに“あの声”だと分かった。つい聴き入っていると…「食欲ありますね?」紫の前の皿はこんもりとしている。しかし去っていった彼女の皿はちんまりしたもので、後ろ姿も確かに細かった。ちょっと恥ずかしかったが、「人生の楽しみですから……」「もちろんそうですよ。たくさん食べる人、いいですよね」紫の中で危険信号がちらついた。たった今、彼…
小説 『黒い渦 日の光』 【第7回】 富山 栄一郎 若い頃は毎日2、3時間睡眠で働いた専務取締役――私が見た彼の心の闇は、あまりにも深く…… 【前回の記事を読む】「昔の出来事を思い出しては……」ため息の裏にあるもの――私は彼の話を聞くことにしたあのそば屋では、彼は地元の中小企業の専務取締役だと言っていた。彼の立ち居振る舞いやしゃべり方はとても丁寧であったし、その仕事ぶりはわからないが、出会った頃から、彼はきっとしっかりと働いていることだろうと思っていた。「そのうち何でも話し出すと思います。それも、堰を切ったように。きっと中山さんが嫌に…