そんな日々の中で、ふと心がほどける瞬間があります。

それは、誰に見せるわけでもなく、ただ自分のためにキャラクターやイラストを描いているときです。予定に追われる日常のなかで、静かに机に向かうこの時間は、私にとって「ほっと」できる大切なひとときです。子どもの頃に感じた「創ることの楽しさ」が、今も変わらず自分の中に息づいていることを実感しています。

20年以上にわたり挑戦してきたキャラクターコンペでは、多くの賞をいただきました。それは私の創作の原動力となり、またキャラクターづくりを通して地域や団体、学校、施設の支援や活性化に貢献できたことは、大きな誇りでもあります。

公募を通じて培った経験は、応募要項の読み取り方や依頼主の意図を汲み取る力、アイデアを独自性へと変換する工夫、そして採用後に広がるキャラクター展開への対応力など、多くの学びを与えてくれました。それらは少しずつ体系化され、ノウハウとして自分の中に蓄積されています。

本書では、こうして積み重ねてきた経験を基盤に、キャラクターづくりに役立つ考え方や実践的な技術を整理しました。これから挑戦しようとする方々が、迷ったときに立ち返る指針となればと願っています。

キャラクターの魅力は、単に「かわいい」「面白い」といった表層的なものだけにとどまりません。そこには地域の物語や人々の想い、未来への願いなど、多様な要素が込められています。

キャラクターは人の心をつなぐ媒介であり、新しい物語を生み出し、共感や感動を届ける存在です。だからこそ、キャラクターデザインには技術や発想に加えて、人間らしい感受性と誠実さが求められるのです。

本書を手に取ってくださった皆さんが、創作の楽しさを存分に味わい、自分だけのキャラクターを生み出すきっかけをつかんでくださることを願っています。そして、そのキャラクターが誰かの心を動かし、笑顔をもたらす存在となることを信じています。本書が皆さんの創作に寄り添う一冊となれば光栄です。

 

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