血清ビタミンDの値は、日光をどのくらい浴びているかの指標となる
紫外線を含む日光は、自然の柱の1つです。日光への曝露が少ないと、血清ビタミンD(25(OH)D3として測定された値:ビタミンD充足度の指標)は、欠乏する可能性が高くなります。この値は、日常、日光をどのくらい浴びているかについての直接の指標となります。
血清ビタミンDの値は、①日光への曝露の程度、②食事からの摂取量、の両方に左右されます。しかし、その値が低いことは、自然の柱の1つである日光とのつながりが、切れかけていることを示唆しています。ビタミンDは、「日光ビタミン」とも呼ばれます。
都内で健診を受けた98%の人がビタミンD不足
2023年、衝撃的なデータが発表されました。慈恵医大と島津製作所の共同研究により、都内で健診を受けた5,518人のうち、98%の人がビタミンD不足(25(OH)Dが、30 ng/mL未満)であることが明らかとなりました。
さらに驚くべきことに、そのような研究結果が発表されても、公的には、日光を浴びることを勧めるでもなく、ビタミンDの摂取を勧めるでもなく、ほぼそのまま放置されていることです。
フィンランドのように、国を挙げて、食品のビタミンD強化を図るような動きは、これまでのところ、まったく見られていません。政策としてのビタミンDの栄養強化(特定の食品への添加)は、フィンランドのほか、米国、カナダ、インドなどの国で導入されています。
血清ビタミンDは、日光への曝露不足に伴い急減していると推定される
日本における血清ビタミンDの経年的変化は、示されていません。しかし、農作業の多かった江戸時代などは、ふんだんに日光を浴びており、ビタミンD不足はなかったと推測されます。
以降、文明化や都市化が進むにつれ、特に都市部において日光への曝露量が減っていき、ついに最近では都内のほぼ全員が日光への曝露不足という状態に陥るに至ったと推測されます。
UVをカットするフィルムを貼った窓やLEDによる人工照明を使用した、温度や湿度の管理の行き届いた室内(人工環境)で過ごしている時間が長くなっていることも影響しています。
次回更新は3月20日(金)、11時の予定です。