【前回の記事を読む】裸で海に飛び込む女性インストラクターと女子小学生!? 水の感覚や冷たさを素肌で感じ、まるでマーメイドになったかのよう

幸せになってよ、マジで

それから三か月が経ち、再会した成人式で、まゆは祥子から、新しい彼氏ができたことを報告された。まゆは、祥子が新しい恋を見つけてくれたことが、本当に嬉しかった。だが、それから半年も待たずして、祥子が短大を卒業した数か月後の夏に、その彼と結婚したという報告を受けたときは、素直に喜べなかった。

〝付き合い始めてから、まだ一年も経っていないのに……〟

とりあえず「おめでとう」と祝福するが、心に何かが引っかかっていた。

住まいは東京の狛江(こまえ)だという。会いに行く距離は縮まったが、大学三年生になったまゆは、忙しい毎日を送っていた。就活にアルバイト、恭平との交際と、祥子のことが心配であるものの、連絡する余裕もなくなっていた。

まゆが祥子と仲よくなったのは、高校一年生のときに同じクラスになったことがきっかけだった。高校に入学して、すぐに行なわれた新入生のオリエンテーション合宿のとき、まゆは、お風呂上がりに、髪の毛が散らばっていて汚い洗面台が気になり、掃除をしていた。それを祥子と、もう一人の同級生が見ていたという。

「合宿のときに、洗面台をきれいにしてくれていたでしょ。あの姿を見て、細やかな気遣いのできる子なんだなって思ったの。だから、今すぐとは言わないけど、友達になれたらいいなって思うんだ」

祥子からそう言われて、まゆは正直、〝あのときは、汚いのが嫌だったからしただけだったのに〟と思い返しながら、でも、それを見て、そう感じてくれている子がいるんだと知って嬉しかった。

それからは毎日、一緒に昼休みを過ごしたり、休み時間に少しずつ話をしたりすることで、祥子との距離が縮まっていった。そして、さらに距離を縮めてくれたのが、まゆも祥子も、GLAYが好きであることだった。一番好きな曲も同じで、『ビリビリクラッシュメン』だった。