料金所をくぐると、エンジンは突然火を噴いた。
ドン!! ググググッーおおぉーーー!! バイクが加速していく。すさまじい空気の塊のような風の壁が、体に圧しかかってくる! うぉぉぉー!! スピードだ!! まさにスピードの体感。顔を下げないと頭が後ろに飛んでいく。体も持っていかれる! しっかりと掴まってなきゃ、バイクからぶっ飛ばされそうだ。
なんて感覚! なんて世界だ! バイクに乗って生身で感じる風は今まで感じた風とは全然違う。車や電車じゃ感じなかったし、気にもしたことなかった。
最高! バイクってこんな世界なのか。風ってこんな感じで体にぶち当たるのか? 何もかも初めての体験だ。
あっという間に翔太を乗せたバイクは高速を降り、海の上を渡る。
前から走ってきた二台のバイクが手を上げて走り抜けていった。コンビニの駐車場に入るとバイクを停めた。
コンビニから出てきた仁おっちゃんが、コーヒーを翔太に投げてくれた。
「どうだ翔太? 初めて乗ったバイクは? いいだろバイクは」
「すげぇーよ! 最高! 俺が思ってたんと全然ちゃうし、想像以上にヤバいわ」
「そやろ。バイクに乗ると風を体で感じて風になれるやろ」
「感じた! 今まで風なんか気にしたことないけど、ブワァーって体にぶち当たって、なんやろ……この感覚……とにかく最高やわ。ところで、さっきすれ違ったバイクって知り合いなん?」
「ん?」
「なんか手上げて挨拶してなかった?」
「ぶははははっ〜、全然知らね奴だ(笑)」
「え? そーなん? 何で? 手上げて挨拶してたやん。何で? 何で?」