「だって、ほっとけないじゃん。
俺さ4LDKの部屋に住んでるんだよね。実は、恥ずかしながら親が金持ちで、俺がきちんとした生活を送れるようにって、契約されちゃってさ。親に部屋を用意してもらうなんてみっともないけど、それは今日のためだったんだって確信した。
亜紀ちゃん、ひと部屋貸すから、シェアハウスしよ? あ、襲ったりはしないから! 夜這いもしない! 心配なんだよ、今の亜紀ちゃんを一人にするのが」
真顔で言われて、友達としてシェアハウスなら、と気持ちが揺れた。何しろ今頼れる人がいない。ホテルに泊まれるようなお金も持ち合わせていない。そうなると、選択肢はただ一つだ。
「じゃあ……お願いしても良い?」
「うん! それじゃ、まずは当面の服とか買いに行こうか」
「ありがと。後でお金は必ず返すから」
「いいって。亜紀ちゃんのために何かできるって凄く嬉しいよ!」
ニカッと白い歯を見せて喜んでいる彼を見ると、早く問題を整理して片付けないと、と強く思うのだった。
南君の住むマンションは、とても大きくて、管理人の他に、コンシェルジュまでいる立派な所だった。まるでセレブが住むような、そんな感じだ。
「部屋は最上階だから」
「わ、凄いね」
エレベータ―に乗り、最上階へと上がると、そこから見える景色も違った。タワマンとまではいかなくても、二十五階建ては夜景が綺麗に見えた。
「亜紀ちゃん、この部屋だよ」
角部屋に入ると、玄関からベランダが見え、遠くに月まで見えた。
「凄い豪華な部屋だね」
「親は俺に甘いから。あ、そこの客室を使って」
「ありがと」
客室って言うだけあってか、十畳以上もある広い部屋だった。クローゼットも付いていた。さっき南君と一緒に買った服を早速かけていき、パジャマに着替える。今日はもう疲れたので眠りたい気分だったから。