自動車整備士の平均年収全業種との比較と待遇改善の必要性

自動車整備士の平均年収は、複数の調査機関や年度によって多少の差異が見られるものの、おおむね370万円から450万円程度とされています。

より詳細に見ると、日本自動車整備振興会連合会のデータでは近年390万円〜425万円台で推移しているようです(※図①参照)。

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図① 自動車整備士の平均年収

ただし、年収は勤務先(大手自動車ディーラーの方が高い傾向)、雇用形態(正社員が平均的)、経験・資格(経験豊富で高度な資格を持つほど高い可能性)、地域(都市部が高い傾向)によって大きく変動します。

一方で、全業種の平均年収についてですが、複数の調査があり、対象とする雇用形態や集計方法によって数値に幅があります。

国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」(2023年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者1人当たりの平均年収は460万円です。

この調査には、正社員だけでなく、パート・アルバイト、派遣社員なども含まれます。正規雇用者の平均年収は約530万円となっています。

近年になって、ようやく、人手不足を背景に平均年収は上昇傾向にありますが、自動車整備士の平均年収は、ほかの業界に比べると100万円程度の差があるのが現状なのです。

50代30年の経験と年収350万円の現実

自動車整備士の年収は、先述のとおり、勤務先、雇用形態、経験、資格、地域によって大きく左右されます。

ある日、ご相談いただいた50代の整備士さんの現実は、長年の経験と技術が必ずしも適正に評価されていない現状を痛烈に物語っています。

その方は、ある零細企業で30年以上にわたり、地域に根差して自動車整備業に従事してこられました。長年の経験で培われた熟練の技術はまさに職人芸であり、エンジン音を聞けば不調の兆候を瞬時に察知し、手にした工具は体の一部のように馴染んでいます。

数々の故障を未然に防ぎ、修理することで、地域の安全な自動車運行を陰ながら支えてきた、まさに縁の下の力持ちです。

 

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