だが、不明瞭ではあるが、確かに、植物の種類や葉の色が、切れた道路のこちら側は淡く、向こう側は濃かった。
「こりゃどういうことだ」盛江は首を傾げた。
早坂は道路の終点を指差し、「まるで二つの違う世界がここでぶつかり合っているようだな」
「その通りだよ」沼田の目が興奮の色を帯びた。
「キャンプ場と、それ以外の場所が、ここでぶつかったんだ」
林は息を飲み、「夜中の衝撃や、浅間山の変化のことも、これと関係があるのかな?」
「分からない……が、否定はできない」
四人はキャンプ場に戻った。見てきたものはすぐに全員に伝えられた。
キャンプはたちまち混乱した。
昼は女子のつくった昼食を全員でとったが、あとは互いの不安を確認するおしゃべりに終始した。
午後になっても観光案内所の係員は出勤してこない。大学生らは係員に望みを掛けていた。係員なら昨夜の爆音も、道路の事も、何から何まで知っていて、笑い話のように解決してくれる――そう信じていた。
しかし、三時を過ぎてもやってこない。大学生にも焦りが見えはじめた。
そんな空気が伝わったのか、中学生女子の数人がパニックを起こし、泣いたり貧血を起こしたりした。
林は「大人なんか待っちゃおれない」と、副リーダーらに呼び掛けて対策を話し合うことにした。
これが緊急会議が行われた発端である。
そこで唐突に発せられた早坂の原始時代発言は、混乱する若者たちをますます混沌に陥れた。
次回更新は1月29日(木)、22時の予定です。
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あの道路の切れた面からこちら側が現代で、あちら側が原始時代