はじめに
あなたの生き辛さ、虐待の後遺症かも
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いつも漠然とした不安がある、気分が沈む日々が続く、うつうつとしている、なにをしても否定されそうな気持ちになる、誰かの許可がないと動けない、自分の思いや気持ちを口にできない、成績が上がらないと気が気でない、異性に触れるのが怖いなど、そういうことはないだろうか?
もちろん、そういう経験は誰にでもあるかもしれない。けれども、それが何か月も、何年も、十何年も、果ては何十年も続くのは、決して当たり前ではない。
そこには、子どもの頃の虐待経験が潜んでいる可能性がある。あまりにも親の呪縛に搦(から)め捕られて、その傷が知らないうちに自分の生来の性格かのように無意識に心に根を生やしていることもあるのだ。
児童虐待といえば、メディアで報道されているように、子どもが痣を作ったり骨折したり死んだりする、凄惨なものと考える人もいるだろう。叩かれたり殴られたり蹴られたりが虐待なのだと考える。
しかし、体に痕が残らない暴力がある。毎日のように引っ叩かれたりするのは恐怖以外のなにものでもないのだが、引っ叩かれても体に痕は残らない。しかし、その恐怖が心に傷を負わせる。心的外傷というものだ。脳のレントゲンを撮ると、明らかに変形していることが最近の研究でわかってきた。外からは見えないが、紛れもない傷なのである。
心的外傷といえば、暴言によるものも多い。否定的な言葉、人格を攻撃するような言葉を投げかけられ続ければ、それも傷となる。親から否定されて、自己肯定感を持てる子どもはいないだろう。
加えて、無視という虐待もある。親に大事にされていないという気持ちも、やはり、自己肯定感を育てない。性的虐待というものもある。親による子どもへのレイプはもちろんのこと、性的視線で見られるのも心の傷になる。一口に児童虐待といってもさまざまであり、決して見逃せない。