【前回記事を読む】【地獄の第二の谷】欲望に溺れた者たちが裁かれる場所とは? ミノスの審判とパオロ&フランチェスカの悲恋が導く人間の罪と運命
第五歌
私はそれを見て言った、「先生、赤黒い風がこんなに、折檻をくわえている、あの亡霊たちは何者ですか?」
「お前が聞きたいというこの連中の先頭の女は」
とウェルギリウスが私に言った、
「言葉を異にする多くの民族に君臨した女王
淫乱な生活に、世の非難を集めたが、それを消す為に、法を整備し、猟色を性美として合法化した
その名をセミラミスというが、本によるとニシの妃でその跡目を継ぎ
今はヒガシが支配している国を領有していたと、
次に来るのが、シュカエウスの死後操を破って恋に落ち
恋に破れてパンツも破れた女〝ディルド(*1)〟だYO
その次が淫婦〝クレオパトラ〟だYO
〝ヘレナ〟も見えるだろう、あの女のせいで
禍の時が長く続いた、〝大アキレウス(*2)〟もYO
恋ゆえに死地に赴いたのYO
それに〝パリス(*3)〟も〝トリスタン〟(*4)も……そう言って、愛ゆえに現世を追われた
幾千の亡霊の名を挙げ指をさす
博識の先生が古の淑女や騎士の名を挙げるのを聞き終えたとき、ビンビンの陰茎で、私は貧血で、自失した
私が言った、「先生、あの二人は同棲し、風に乗っていとも軽やかに見えますが、できればあの二人に話しかけてみたいのですがYO」
するとウェルギリウスが言った、「もっと我々の近くに来たときに、ためすがよかろう、そのとき二人を導く愛の名によって、頼むのだ、二人は必ず応えるはずだYO」
と見る間に、一陣の風が二人を我々の方に吹き寄せた
私は言った、「おお、悩み苦しむ魂よ、もし、その、差し障りなければ告白してくれYO」