G 現代の不安は不安の過剰拡大

現代世界は情報で繋がっています。日本では一般人は欧州の戦争、アフリカの虐殺、アジアの貧困、アメリカ大陸の経済格差をリアルタイムで知ることができます。また、経済的、政治的、軍事的に世界中の国は影響し合っていることはもはや常識になりつつあります。

つまり一人の人間の脳内の不安範囲は地球上全てです。空間的には北朝鮮が攻めてきたら、プーチンが核戦争を始めたらなどなど生存不安があります。

時間範囲も広がり、20年後に自分の仕事はAIに奪われるのではないか。50年後に気候変動により、地球が干上がって、自分の子供達は飢え死にするのではないか、などなど脳内不安があります。

文明の発達の結果情報革命が起きました。今は広い範囲から多くの情報が一人の人間の脳内に入ってきます。脳はその情報を統合して世界を作ります。脳内世界とは自分の生存エリアです。

人間はリスク管理のために不安感情を持ちます。しかし、文明が発達してその結果できた脳内生存エリアが広がると、自分が直接関与できない、コントロールできない生存阻害要因が多量に脳内に生まれます。こうなると脳内は不安定の極み状態になります。

そこで、その不安を安定させたいというニーズを満たす商品が発明されます。それが全体情報です。全体= 世界情報です。世界とはこうだ、と断定する情報です。ハッキリと断定されていて、かつ脳内を統制してくれる情報です。それがあれば人間は安定して生きていけますよね。

かつてはそれを宗教が担っていました。今世界中にある五大宗教は、

①キリスト教

②ユダヤ教

③イスラム教

④仏教

⑤ヒンドゥー教

です。

キリスト教、ユダヤ教はヨーロッパと中東と北アフリカの地域が発生に関わっています。四大文明だと、エジプト文明、メソポタミア文明の範囲です。イスラム教は中東です。シルクロードの影響を受ける場所です。仏教やヒンドゥー教はインドです。インダス文明ですね。

キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、みんなユーラシア大陸の文明国から発生しました。文明国とは巨大化した集団力国です。支配範囲が広い文明で、脳内世界観も広いです。つまり、一人の脳内不安の範囲もデカイです。だから強烈な全体情報がないと心が安定しません。需要があったから供給ができます。

人間は全体情報を共有しました。そして、集団力を拡大しました。その結果地球上の王者になりました。

現代社会において、宗教に対する否定的な見方が強まっているのは事実です。宗教には多様な形態や信仰があり、個々人にとっての意味や価値は様々ですが、宗教を一種の洗脳と捉え、無知で理性が弱く、知識のない、未熟な人々が行うものであると考える人もいるようです。

人間の普遍的な個性。それは集団力、共同幻想の共有、緻密なコミュニケーション、脳内臨場感です。

 

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