【前回記事を読む】150人を超えたら“洗脳”が必要になる? 人間が巨大集団を維持できる驚くべき仕組みが、私たちを支配している。
第一章 脳内デトックスから始めよう
――革命とは初期設定の変換――
2 人間とは何(生物としての特徴)
F 才能とリスクは一体
人間には必ず全体情報が必要です。人間は脳が発達して、かつ脳内に映画を作れます。また想像力によって現実にないものを脳内に発生させられます。
人間の脳内映画の材料は情報です。また人間の一番の関心事は自身の生存です。人間は長い歴史の中で地球生物としてヒエラルキーの中くらいに位置していました。この位置にいるものは完全王者ではありません。
生存の第一条件はリスク回避です。リスク回避で一番大事なことはリスクに対して準備することです。人間の認知は客観と主観が繋がっています。脳内にリスクを描く、その客観情報に主観、つまり感情が貼りついて情報になります。
リスクに対する主観は不安です。人間の不安感情とはリスクに備えるためにあるのです。人間が一番恐れるのは不確実性と未知です。未知には準備ができないからです。
だから人間は全体情報を求めます。世界像が明確にあり、それに則り物事を把握します。意味を決めます。全ての物事は世界像の範囲で行われます。現実世界では様々なことが起きます。しかし人間の脳内では全て世界像の中で起きることと変換されます。
よって自分で全てのことに意味を、判断を下せます。脳内では全てに対しての裁判官になれます。だから、安心感を維持できます。
かつての人類には限られた未知しかありませんでした。行動範囲も狭かったので未知の範囲は限られていました。かつての世界は、自身の生活範囲です。自身の脳内で想像して作り出す不安も限られたものでした。
しかし、文明が発達すると人間の行動範囲は拡大します。一つのグループの構成要員の数も人間の多様性も拡大します。関係性を維持しなければならない他のグループの数も拡大します。
一人の人間、一つのグループが配慮しなければならない人間、土地、自然の範囲も拡大します。自身の脳内の世界像が広がります。そして同時に不安配慮範囲も広がります。すると拡大した不安範囲を包容できる全体情報が求められます。
500年前の江戸時代の日本人ならば生存の不安範囲は、広くて国内でしょう。その場合は、日本の全ての現象を包容してくれる文脈をもつ世界像が必要になります。人間の脳内に想像から生まれる不安や恐怖を全て包容してくれる情報です。