「Dat、今日はLisaはいるの? ときどきLisaがいないから……。今日はとっても大事な用事があるからどうしてもLisaに会いたいんだ」

息を切らしながら話すと祖母がLisaの部屋をノックする。

「Lisa、Marlonがとっても大事な用事があるんですって。大丈夫?」

祖母と小声で何かを話していたLisaがドアから顔を覗かせ僕を見ると、奥からゆっくりと歩いてきた。膝をつき、ニコニコと僕の頭を撫でながら、

「どうしたの? そんなに急いで。とっても大事な用事は何かしら? リビングへ行きましょう」

そう言って優しく手を繋ぎ、ソファーに座るとLisaが嬉しそうにして僕に話し掛けてきた。

「Marlon、今日はよく来てくれたわね。Marlonが来てくれると私は嬉しいわ。そうそう、この前Bessyのためにツルを渡したけれど、ちゃんと渡せた? 喜んでもらえた? とっても心配だわ。ねぇ、Dat」

祖母に向かってウィンクするLisaはとても楽しそうだ。だけど僕はそのことを早くLisaに伝えたくて興奮していた。

「それなんだよLisa! それがね、Bessyはすごく喜んでくれて、一日中それを眺めていたんだ。どうやったら一枚の紙からこんな美しいツルが作れるのか不思議がってたよ。それからScottにはサムライの被る帽子をあげたんだ。学校中の皆が僕のクラスに見に来たんだ! 見たことのない先生も大勢いたよ!」

少し離れた窓際のソファーに座り、僕らの会話を聞いていた足の悪い祖父がゆっくりと歩いてきて僕の隣に座った。