今日は丈哉さんと毛糸を買いに手芸店へ。

気に入った色が、すぐ見つかった! 早く帰って編み始めたい。

「ランチして行く?」丈哉さん。

「すぐ帰りたいの」急ぎ帰った。

二人の採寸表を見ながら、編み始めた。

すごく楽しい。お夕飯の時間も忘れて集中していた。

「香子、お腹が空いたよ」

「アッ! ごめんなさい!」

準備も忘れていた。どうしよう……。

「香子、久しぶりにポーク卵焼きが食べたい」

おっ、ラッキーすぐ出来る。

「ごめんなさい! 十五分でできます」

でも……編み進めたい。早く片付けて編もう!

お風呂も済ませて集中。

丈哉さんはいつもの様に触って来るけど……。邪魔だ。編み進めたい!

「香子、明日でもいいだろう?」

「そうね」と言いながらも編み続けた。

十一時。

「香子、寝よう」

「そうね」と言いながら……編む。

「香子はベストを編むのに夢中で、僕をほったらかして寂しいよ~」

もごもご言っている。

丈哉さん、不満そうだ。ごめんね。

ようやく前身ごろの半分が出来た。時計を見たら一時を回っている。大変、終ろう。