1-2 炭素循環

炭素は地球の組成元素の一つで地球至るところに存在している。例えば、人間の体の12%は炭素であると言われており、日本には人間は死ねば土に帰るという諺があるがこれは正に炭素循環の一例である。

地球上の炭素は大気、陸、海、及び地中の堆積物に様々な状態で存在しており、それぞれを貯蔵庫とみなし、炭素がこれらの貯蔵庫間を交換・移動する循環は「炭素循環」と呼ばれる。大気、陸、海間の炭素循環のモデルを図1-1「温室効果ガスの吸収・排出」に示す。

写真を拡大 図1-1 温室効果ガスの吸収・排出量

(出典:「世界の森林を守るために-違法に伐採された木材を使用していませんか?」、環境省地球環境局環境保全課 資料:IPCC第4次評価報告書)

各貯蔵庫における温室効果ガスの量は大気に760Gt、海洋に3800Gt、植物・土壌に2261Gtとなっている。

また、貯蔵庫間を交換・移動する温室効果ガスの量は次のようになっている。

① 排出量/年
• 化石燃料からの排出量 6.4+0.4Gt /年
• 森林の転用等 1.6Gt /年

② 吸収量/年
• 海洋による吸収量/年 2.2+0.4Gt /年
• その他の吸収量/年 2.6Gt /年

1-3 二酸化炭素ガスの排出

大気圏への二酸化炭素ガスの排出源は主に化石燃料であり、これに森林の転用(面積の減少)による二酸化炭素ガスの吸収減が計算上排出として扱われる。

1-3-1 化石燃料

化石燃料は地質時代にかけて堆積した動植物などの死骸が地中で堆積して長い年月をかけて地圧・地熱などにより変成されてできた。現在、使われている主なものに石炭、石油、天然ガスなどがある。

これらの燃料は燃やすと二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(Nox)、硫化酸化物(SO2)などが発生するが、これらが大気中に排出されることにより、地球温暖化をひきおこす要因となっている。

因みに、大気中のCO2ガスの濃度は南極の氷床に記憶されており、それをボーリングで採取したアイスコアを分析すれば濃度変化が明らかになる。直近2000年間のCO2濃度変化を表した図1-2より産業革命以降のCO2ガスの濃度が急増している。

特に1958年以降、激増しており地球は瞬間湯沸かし状態にあるといっても過言ではない。

1-3-2 森林の転用等

森林には光合成によって、大気中の温室効果ガスを吸収し、貯蔵する役割を担っている。しかし、森林の転用によって温室効果ガスの吸収量が減少することになる。換言すれば、その分温室効果ガスを排出していることになる。

写真を拡大 図1-2 温室効果ガス(CO2)の濃度上昇

出典:「土壌の炭素貯留で地球温暖化の緩和」
(独)農業環境技術研究所、NIAES 30th Anniversary IPCC AR4(2007)

 

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