【前回記事を読む】20歳を超えると身体は老化していく!? 「不健康」を積み重ねないよう、未来の健康美人をつくろう

あなたは健康ですか

食べなかったらどうなる?

クエン酸回路でアセチルCoAはエネルギー生成に全部使われるの?って思いませんか?

クエン酸回路でつかわれなくてもちゃんと用途があります。無駄がありません。エネルギー生成に使わなかったアセチルCoAはミトコンドリアからでて細胞内で脂肪酸やコレステロール、ケトン体を作るという経路があります。ダイエットする人にめちゃめちゃ嫌われる中性脂肪は、余ったグルコースが肝臓に貯金されたものです。

グルコースを貯金するために、細胞質で作られた脂肪酸とグルコースからグリセロールに変換されて、脂肪酸とグリセロールがくっついた形にして、貯金します。寝ている間は食べ物を食べることができないので、この貯金から、グリセロールを取り出し肝臓で、グルコースにもどして、血糖値を保っています。

アセチルCoAからコレステロールをつくるにはかなりのATPが必要となります。

アセチルCoAからコレステロールに至る経路の途中ではコエンザイムQ10や、ビタミンDが作られます。もちろん、ビタミンDをつくるには紫外線が必要です。

コレステロールは胆汁酸や性ホルモンの原料になります。

つまり、エネルギー合成に使われなかったアセチルCoAはミトコンドリアから細胞質にでて、細胞内でいろいろな働きをして、コレステロールの生成、エネルギーの生成、骨の健康(ビタミンD)、消化(胆汁酸)、さらには生殖(性ホルモン)といった、生命を維持する基本的な機能を支える原料へと変化します。

私たちの身体のなかではさまざまな化学反応が、複雑に組み合わされて行われ、私たちが意識して行わなくても、行われるようになっています。そして、このすべての過程にはATPが必要で、計画的なエネルギー管理(ATPの使用)が必要です。細胞の中で化学反応が円滑に行えるようにするために私たちが行うことは、バランスを考えてしっかり食べる、これだけです。