食物連鎖

十才の時 学校で習った食物連鎖

顔を上げて 父にたずねた

小さい生き物が それより大きい動物の生きるために

殺して食べて 自分達の生存を維持していくこと

順ぐりと そしてその頂点に立つのが

人間であると

人間は 自分より大きいものでも

頭を使って捕(とら)え 食料にすることができる

だから 人間は一番偉いのだと

十才の私は 父の解答に不満を感じた

年を重ね 何のためにその特権が与えられたのかわからないのが

不満の原因とわかった

誰かに聞くより 自分で見つけなくてはと

年令ごとに 答を探した

結婚して 子供が大きくなり

十才になったら きっと聞いてくる

どういうことって 答えられるか不安だった

けど どの子も私には問いかけなかった

私はまだ終わっていない

私が出した解答を 確認したいと思う人が あらわれた時

私は 十才の私に戻って

たずねたいと思っている