【前回の記事を読む】『交差点』より詩五篇「あなた達の何倍も生きてきたのに かなわない時がある…ほんとうにわかっているのはあなた達かもしれない」
一章 私の想い
あぜ道
鉢植えの花々が 並んでいる
出窓のある家が 美しいと思っていました
高い石垣に囲まれた しゃれた洋館が
うらやましいと 考えていました
しかし この頃 少し疑問に思うんです
住んでいる人は 外から眺める風景と同じ位 素敵な 人なのかしらと
あぜ道に しっかりと根付いたタンポポの花
濃紫のすみれの おしゃべりは
無報酬に やさしさを 私たちに
与えてくれ 穏やかさを 創り出し
失った信頼を 取り戻して ひとつの夢を 運んでくれます
君
つくしを 見つけて
誇らしげに 差し出す
子供らの手は
きのうと 今日と 明日をつなぐ
命の証(あかし)のようだ