弓道前に……

先日の弓道前に、サロンワーク最後のお客様をお見送りする直前、体調芳しくないお客様の姿が。店内にいたゆずちゃん、そのお客様の足元に近寄ると、

「ゆず……ちゃん……お仕事帰りに、鍼灸行ったんやね。ふたり待ち合いにおられたから、もう待てないなって。サロンの灯りついてたから……すみません」

「そうやったんやね、立ち寄ってくれたんやね、ありがとう。身体しんどい!?」

「めちゃくちゃきついです」

「こっちの椅子に座って、もう少しだけ待っててくれるかな」

「本当にすみません」

 先のお客様をお見送りして、「あったかい紅茶入れるね、どーぞ。まぁゆっくり飲んでよ!」

「ありがとうございます」

「どこが一番しんどいの??」

「頭痛が酷くて寝不足で、仕事も忙しいし。前にものすごく励ましてもらってたのに、ごめんなさい。言われた事は、正当だと思います……。

けれど、中々そのような気持ちになれなくて……。そう考えるともう頭の中がいっぱいになるから。素直になれればいいのでしょうけど、長年、自分の考え方の癖、直す事は中々できなくて……」

「わかったわかった、もーえーよ。何も言わずに、身体の力抜いてみ!」

レンジであっためる温熱ピローをレンジから取り出して、心身弱り果ててるお客様の首あたりへ。

こめかみあたりをゆっくりとマッサージする。こめかみがパンパンに、カチカチになっている。

 

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