「ええ、気持ちが悪いんです。むかむかするんで、水も飲めなくて」
辛そうだ。幸也さんが、
「みんな、ここに座って。子供はもうすぐ六か月に入る。安定期に入って、昨日、性別を聞いた。発表します。ジャジャジャーン、男の子です」
皆、わぁーと拍手喝采。
「名前も、ジョーと決めた」
「横文字か?」とお父さん。私も、いつの間にか、お父さん、お母さんと呼んでいる。
「これからは、世界に通用する名前が良いと思って、男の子だったらそうすると、前から決めていたんだ。漢字は、僕が大好きで尊敬する兄さんの一文字から、丈と書くんだ。カッコイイだろう」と。
丈哉さん、泣いている、両親も。
お母さんが、
「お前はおしゃべりで食いしん坊でわがままだけど、素晴らしい息子だね。ありがとう」
涙が止まらない。
「女の子だったら、香と香子さんの一文字を取る予定だったんだ。それで、子育てを六人でする。父さん、母さんにも手伝ってもらうが、兄貴夫婦には、パパとママになってもらう。僕と香はお父さん、お母さんと呼ばせる。この子は、世界で一番幸せ者なんだ! 親が四人いるんだ。凄いだろう。僕達もラッキーだ。なぁ、香」
丈哉さん、声が漏れるぐらい泣いている。お父さん、
「でかしたぞ! 次男! 大人になったな~」と涙を拭いている。
「何だよ、それ。親父、僕、四十五歳だけど」
皆、爆笑。
「幸也、ありがとう。僕を親にしてくれるんだね。嬉しい」と。