「私は、ハズバンドが居ます」

発音が悪いのか通じていない。手を引いていこうとする。

「ノー」と言っているのに強引に。

「ハーイ、ウィリアム。アイムソーリー、マイワイフ」

「オー! ソーリー。ヤマオカサンワイフ」

「イエース」

「ビューティフル」

「サンキュー」

冷や汗。

「ありがとう、発音が悪くて通じていなかった」

「ウィリアムは見る目があるなぁ~、香子に声をかけるとは。アハハハハ」

丈哉さん、声がかかり席を立っていった。おトイレに行き、出た時、凄くスタイルのよい美人が立っていた。通り過ぎようとした時、

「あなたが、丈哉の奥さん?」

ん、呼び捨て。

「はい、そうですが」

私を上から下まで見て、

「ふ~ん、普通ね」

普通で悪かったわね。

「何か?」

「あなたは知らないでしょうが、丈哉と前に付き合っていたの」

「それが、何か?」

「先月、残業をずっとしていたでしょう。その時、私のホテルの部屋に来たの」

「えっ!」

「ごめんね、丈哉は話していないよね。そろそろあなたにも飽きたそうよ、でもお手伝いさんの代わりと時々の欲求不満解消にいいそうよ。まぁ、便利な女ってとこね」

私は頭が真っ白になった。

次回更新は9月16日(火)、22時の予定です。

 

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