そして、鬼束ちひろさんの楽曲に出会い、私にとってものすごい衝撃と影響を与えた。
彼女の書く歌詞や曲調に瞬時に引き込まれていった。
特に『眩暈』という楽曲は私にとって特別な存在であった。
まるで、今の私の気持ちを代弁してくれているかのようで、ひたすらその曲を朝から夜まで聴き続けていた。
聴いているだけで、なんだかとても心が落ち着いたのだ。
彼女の曲に出会い、私は、歌詞や言葉には、こんなにも人の心を強く揺さぶるほどの魅力があるのかと知り心が震えた。
その影響なのか、私はふと思い浮かんだ言葉が出てくると自然とノートに書くようになっていた。それは、詩と呼んでいいものなのか。
特に理由もないのだが、浮かんでくる、次々と湧いてくる言葉たちを書き留めずにはいられなかった。それは、今も変わっていない。
移り変わる空の色。
雲の形の変化。
雨の匂い。
特に雨上がりの香りは独特で、季節にはそれぞれ独特の香りと雰囲気があり、すべてが、儚く愛しいと思うようになった。
次回更新は9月19日(金)、20時の予定です。
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