【前回の記事を読む】58歳の誕生日は3人で8時間使った。頬に軽く噛みつかれ、膝の上に座って甘えた。興に乗って2人を男子高校生役に、放課後授業に誘うと...
Chapter 3
薔薇の花束の誕生日会
燃えるような紅葉真っ盛りの高尾山への8時間デートが、11月後半最後の日曜日だった。
真由子は初めての高尾山ハイク、流星は大学3年の頃、友達と紅葉じゃない時期に吊り橋のあるハードな山登りコースで登った事があると言う。
新宿南口で京王線の改札口が地下にあるのを真由子は分からず、待ち合わせ場所に着かないアクシデントがあったが、流星が電話をかけて無事JR南口で2人は合流し高尾山に向かった。
高尾山ふもとから、観光客の多さと所々に散らばる燃えるような紅葉に真由子は圧倒され、感動していた。こんな素晴らしい紅葉を流星と一緒に見られるなんて……2人並んで頂上近くまでのリフトに乗り記念写真も買った。
写真を見ると流星は、真由子の方を見つめて写っている。みなとみらいの遊園地や、何度か流星と真由子のツーショット写真で、流星が真由子を見つめているショットがあった。真由子は、
(男性が、ツイン女性をよく見つめているってネット記事に書いてあったけど、それかしら?)と不思議さと同時に嬉しい気持ちにもなった。山を登りながら各所で流星とツーショットをたくさん撮る。
お天気も最高の秋晴れの日曜日、真由子と流星は、高尾山の紅葉のまさにクライマックスと言っても過言ではない華やかな雰囲気の賑わう高尾山を、手を繋ぎ歩いた。混んでいるので、街中と違いしっかりと流星は真由子の手を握って山を登ってくれた。
途中の店でキノコ汁などをいただき、頂上では缶ビールで乾杯、食事も取り和やかに過ごす。下りリフトやケーブルカーに乗る長蛇の列を見て流星と真由子は歩いて下山することにした。