ティーナのジョシュに対する評価は「女の敵」と決めて揺るがなかった。けれど、喋ってみれば度を超えて臆病な事と、自分より可愛い人を彼女にするということ以外は至って常識的。
恋人としてはお世辞にもオススメしたいとは言えないが、友達としては優良物件だ。丁度、年も近いし、ティーナはすっかりジョシュと仲良くなっていた。
そして数時間後、ティーナは誰よりも早く寝た。足の怪我もあって、疲れていたのだろう。
ジョシュは明るいムードメーカーのティーナが寝てしまった今、なにを喋ればいいのかわからなかった。そもそも、ログのほうから好意的にジョシュに話しかけてきた回数は…… あれ? ゼロ?
(僕、嫌われてるのかな……まぁそりゃそうだよね、嫌われるよね……)
「……なァ」
「っ!? はい!!」
ちょうど自分のことを嫌っている(とジョシュが思っている)人間が声をかけてきて、ジョシュは声が裏返り変な声が出た。
「そんな怯えなくていいって。聞きたいことがあるんだ」
「?」
「いったい、お前、なにを怖がっているんだ?」
「……え?」
「本当に怖いんなら、そもそもティーナのこと庇ってねえだろ。お前はただ、そう思い込んでるだけなんじゃないか?」
ジョシュは、目を見開きログの顔を見た。ログは、すべてを見透かしているような目をしていて、ジョシュは直視することができなかった。
次回更新は7月13日(日)、12時の予定です。
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