(こんなビキニ水着みたいな格好でアロマオイルマッサージをするんだ……恥ずかしい。そんな事、予想もしていなかったわ)

真由子には、深く考えたり下準備をせずに行動に移してしまう面があった。よく言えば行動派だが、慎重さに欠けるというか、この性格は50歳過ぎてもあまり変わらないようだ。

真由子がシャワールームから再び部屋に戻ると、いよいよ流星セラピストによるアロマオイルマッサージが始まる。

半裸のような姿になる覚悟をした真由子が後ろ向きでフロアに敷いてあるベッドマットに座ると、

「まず、ハンドマッサージをしますね」

そう言って流星セラピストが真由子の身体に背後から覆い被さるようにハグして、真由子の両手を優しく包んでハンドマッサージが、始まった。

若いイケメン男性に後ろから抱きつかれるように手のひらや指を揉まれる……10年以上男性とまったくと言っていいほどスキンシップなしだった真由子にとっては、衝撃的なマッサージであった。

(す、凄いなコレ。これがあるからパラダイスアロマは、フツーのマッサージサロンと違って料金がお高いんだわ……)

続けてベッドマットにうつ伏せにさせられた真由子のガウンを流星が肩から少しずつ脱がせ、半分露出した背中にホットアロマオイルを塗り、優しくマッサージしていく。甘く華やかな香りのオイルは、流星お勧めのイランイランである。

(あー温かくて気持ちいい……流星くんみたいな若いイケメンに大きな手でゆっくりマッサージして貰えるなんて……)

流星が真由子に身体を密着させるような形もあり、それはまるで恋人にされているような親密な雰囲気の密着マッサージであった。

「私、長年SEXレスで……。10年以上前は、出会い系で年下男性に会ったりとかしてたんだけと……」

個室で2人きりのせいか、すっかり緊張が解けた真由子は、のっけからぶっちゃけトークを始めた。流星は、ニコニコと優しい笑顔で聞いてくれていた。そうだ、流星くんのことも、知りたい。真由子は流星に質問を投げかける。

次回更新は6月15日(日)、18時の予定です。

 

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