また、感染症への罹患をきっかけに免疫系の誤作動が起こり、メンタルに症状が出る場合もあります。インフルエンザ、新型コロナウイルス、溶連菌(溶血性連鎖球菌)、風邪などのよくある感染症にかかった後、こだわりや偏食、不安感、うつ、気力の低下、攻撃的な性格がみられたり、睡眠障害などの症状が出てきたりする場合があります。
これらは感染症による免疫系の誤作動で、感情や睡眠を司る脳の部分に炎症が起こるために現れる代表的な症状です。ただし、前記の感染症による影響は、比較的最近になって海外で注目を集めたものであるため、日本ではまだあまり知られていません。
ほかにも体のシステムの問題の影響で、不安になりやすくなったり、怖がりになったり、学習がしづらくなったりする場合があり、これも不登校の原因になります。
このような場合、何かメンタルの症状を起こすきっかけとなる出来事やショックな出来事があったわけではなく、お子さん自身も理由が分からず説明できません。
気持ちの問題ではないのです。病院でも「異常あり」に該当する項目は見当たらず、見た目も普段と変わらないので、周りからは怠けているように思われてしまいます。
検査で異常がないことから、周囲の人は、「甘えている」「気持ちが弱い」「もっとしっかりしなさい」などの声かけをしがちです。
そうするとお子さんも「自分が悪い、頑張れない自分はダメな人間」と追い込まれてしまい、本当に精神疾患になってしまうかもしれません。
または、内科の検査で異常なしなのだから精神疾患ではないかと疑われ、必要のないメンタルの薬を処方されている場合もあるかもしれません。
学校に行かないのは心の問題だけではありません。