第1章 認知症の改善のために行った工夫

10 昼寝の時間は短く

母親は90歳を過ぎると、徐々に昼寝の時間と回数が増えていきました。95歳のころはテレビを見ていてもベッドで横になり、気が付いてみると寝ていました。午前、午後、よく昼寝をしました。私は、お年寄りは昼間寝る時間が徐々に多くなり、最期は永久に寝るようになるのが自然なのかなー、と思いました。

でも、寝る時間が長くなると脳の活動が減り認知症が間違いなく進むと心配しだしました。それは困るので、おしゃべりしたり、マッ サージしたり、テレビを一緒に見たり、一緒に歌を歌ったりして起きている時間を長くするように試してみました。

数年やっているうちに母親は、昼間、何となく、元気が出てきて寝る時間も減っていきました。100歳のころは短い昼寝はあったものの昼間ほぼずっと起きていて、いろんなチャンネルのテレビを見たり、私と話したり、曾孫たちのアルバ ムを見たりと何かをしているようになりました。

頭もはっきりするようになり認知症も改善しました。昼間、寝る時間を自由にしてしまうと認知症には悪く、積極的に起こして楽しんでもらうことが認知症の予防と改善になると思います。