「ええーっ? ダ、ダ、ダンスパーティー?」

「そうだよ。両親が大好きで、兄夫婦も一緒に踊るんだ」

「ちょ、ちょ、ちょっと待って! 私、あまり見た事もないし、踊った事は、一度もないよ。どうしよう!」

「大丈夫、僕が教えるからね」

「そんな簡単に、覚えられないでしょう」

「僕がいるから、大丈夫だよ」

「そうなの? しっかり教えてね」

「帰ったら練習しよう」

「分かったわ。お願いします」

さぁー大変。ダンスなんてあんまり見た事もないし、ましてや踊った事もない。う~ん、想定外だ。

マンションに着いた。

「ねぇ、ダンス教えて」

「分かった。その前に、ダンスの種類を見てみようね。まずは皆の前で、披露するジルバ」

「はぁ~? 皆の前で踊るの?」

「そうだよ」

「ど、ど、どうしよう」

「大丈夫だよ。僕が付いているから。安心して」

「う~ん、分かった。頑張るね」

「ジルバの音楽から」

ジルバがどのようなダンスかはネットで調べたが、本当に踊れるのか心配。流れてきた音は早いリズムだ。楽しそうなリズム……だけど、早い!

「心配になってきた。大丈夫かな」

「六テンポで一、 二、 三、 四、 五、 六。一、 二、 三……」

全然できない。涼真さんがリードしてくれるから少し、リズムが取れる。意外とハードなステップだ。

でも、クルクル回ったり、ステップ踏んだり、リズム感が必要だ。涼真さんがリードして回すのだけど、「キャー」とか「アレ~」とか叫んでしまう。

その度に涼真さんったら、お腹を抱えて、笑っている。