次の一瞬、裏手のビルの三階の窓に明かりが点り、消えたはずの蟷螂が、影絵のように窓枠を横切って視界に現れ、再び闇に消えた。

明かりの点った窓に、人影が映った。

人影は一気にカーテンを引き開け、次いで窓が開放された。人影が女性であることを認識した恭平はとっさに身を引き、息を整えながら開け放たれた窓を覗き込んだ。

窓際に立つ女性は、気怠げに左手だけでブラウスのボタンを上から外していく。

胸をはだけた女性は両手を広げ深呼吸を一つした後、両肩を揺すって両の袖を抜き、その場にブラウスを落とす。

緩慢(かんまん)に長い髪を両手で後ろにかき上げ、顎を突き出すようにして首を左右に振る。直立したままでスカートのファスナーを下ろし、スカートを脱ぐ。

背中に手を回しホックを外し、左、そして右の順に肩を下げ、ブラジャーを取る。次いで腰の辺りに左手をやり、上体を横に倒し膝を折って、身に着けた全ての布を脱ぎ終えた。

 

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