私(コー)は言った。

「やっぱり、ウソー君は、素晴らしい。感動するね」

そこに、突如として、フー君が、姿を現した。

「コー君、君は、大学の教壇に立っているんだって。しっかりとしたまえ」

私は言った。

「ところで、君は、ぺー君のもとで学んだらしいな。君の偉大さは、ペー君の弟子で終わらなかったところにあるね」

フーは、言った。

「子どもの中には、宇宙の力、神のような力が内在しているんだ。それを引き出すために、遊具(恩物)を使うといいんだよ」

私は言った。

「君が「幼稚園」を発想し、創ったらしいな。すごいな。これから、フー先生って、呼ばせていただこう」

フーは、言った。

「これも、もともとは、ウソー先生とペー先生のお陰なんだよ。ウソー先生は、この道の先頭を走っていったんだ。ペー先生は、後から追いかけたね。だって、ウソー先生は、嘘みたいに速いんだ。だって、名前がウソーだからね」

私は、言った。

「フー先生、困るな。走りながら、しゃべらないでおくれ」

フーは、立ち止まった。

「やれやれ、君は、遅いな。僕に、付いて来れないではないか。やっぱり、君は、未熟だな。心は二十歳なんて言っているんだろ。コー君よ、もっと速く走りたまえ」

私は、応えた。

「フー先生が、速過ぎます。もー、走れません」

フーは、言った。

「子どもを成長させる方法を知っているかね?」

私は言った。

「そんな方法があるなら、是非、教えていただきたい。あなたに付いて行くだけで、汗びっしょりなんですから。足もつりそうですよ」

フーは言った。

「なんと未熟者なんだ、君は。それで、本当に教壇に立っているのかね。笑っちゃうよ。ヘラヘラ、ヘラヘラ」

 

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