愛しき女性たちへ

麻菜は自分が孤独だと思ったことは無い。

子供たちは二人とも可愛いし、特段の問題行動も今のところ起こしていない。

今の仕事は派遣だが大手通信会社の子会社で、親会社から一定の仕事が入ることからノンビリしたホワイト企業だ。管理職は全員親会社からの出向者でセクハラ・パワハラを恐れてみな優しいというか萎縮している感じだし、厳しいノルマがあるわけでもなく、休暇もちゃんと取れる。

事務仕事をちゃんとこなしてさえいればいい。郵便局や銀行へのお使いも多いが少しの息抜きと気分転換が出来るので全く苦ではない。社員全員が出席するセレモニーなどがあるときは一人で留守番をすることもあり、そんな時は多少の疎外感を感じなくもないが、セキュリティー、消灯だけには気を付けて早く帰ることが出来る。

総じて今の職場に不満は無く、派遣期間が終わっても会社と交渉して、嘱託かアルバイトでもいいからこのまま継続してこの場所で仕事を続けたいと考えている。今さら他の職場、他の職種なんて無理だとも思う。

でも生活はギリギリだ。何とか食べてはいけるが、子供たちもこれから何にお金が掛かるかわからないし、たまには外食もしたい。最後にオシャレをして出掛けたのは何年前だっただろうか。

次回更新は3月17日(月)、20時の予定です。

 

【イチオシ記事】何故、妹の夫に体を許してしまったのだろう。もう誰のことも好きになれないはずの私は、ただあなたとの日々を想って…

【注目記事】娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて...

【人気記事】銀行員の夫は給料五十万円のうち生活費を八万円しか渡してくれずついに…