第三章 痛みの諸症状と治療法

顎関節症もその場で完治

腱鞘炎の治療は特殊なことをするわけじゃない。使い過ぎて伸びなくなったり、引っ掛かったりするようになった指を、1本1本伸ばして、ジャワ島の踊り子さんの指のように、きれいに反(そ)った指に戻してあげるだけ。

手を出してもらえれば、その場で「バリバリ」とやります。「ブチブチ、ボキッ」とね。患者に叩かれても、そのまま「グーッ」といっちゃう。

ある程度痛いと、人間は動かなくなりますね。そして治療が終われば「あれ? 治った」と。顎(がく)関節症もすぐ治ります。

顎関節はどこで悪くなるかというと、たいてい歯医者が原因。あとは斜め噛(が)みをしているケースが多い。

普通の医者は、痛み止めや湿布などで「安静にしてください」と診察するが、私の場合は姿勢の矯正をして、無理やり口を開けさせる。要は、顎が痛くてかばってるだけなんです。口を「あーっ」と開けさせて、「もっと開けろ、もっと開けろ」と指導します。

できないときは、私が「グリッ」とやります。痛くて縮んどったところを一回伸ばせば痛みを超えるので、治療後は「あ、動く」と、こうです。要は、どちらの病態も、大事にし過ぎて錆(さ)びてしまった状態。錆びて痛いからと薬を塗って動かさないでいたら、治るわけがない。