第一章 再現美容師の仕事
研ぎ澄まされたサロンワーク
究極のヘッドスパ開始。今ある自信のスパは、指先の感覚を深く感じる事。頭皮の硬さや、ツボの部分と押した時の凝りの硬さや深さ……。
最近は、施術の時素足になっている。アクセサリーも外して、指先だけに全集中したいだけ。弓道のおかげなのか、その集中力は目覚ましく飛躍している。
鍼灸の先生も、指先の感覚を強く意識して、身をもって感じる他ないと言われた。だからこそ、色んな頭の形に触れていきたい。引き出しをもっともっと増やしていきたい。
欲張りのわたし……。
お金を出してセミナー受講しても学べないこの感覚。
やり方は教わっても、感覚だけは数を経験しないと習得できない至難の技。終わりなきテーマが美容師には数多くある。
M様の左側の首を触った時に衝撃を受けたわたし。ゴリゴリガッチガチのまるで石のようなしこり。これはえらい事……。
そりゃしんどいやろう、頭痛もしたやろうに。もしかしたら頭痛薬も服用していたかもしれないな。
こんなにしんどい身体を抱えて、往復2時間弱かけて、たくさんあるサロンの中でここを選び、ご来店してもらえた。
人と話す事もしんどいくらいの凝りの状況を、僅かでもこの障害がある右手と左手で軽減してあげたい一心だった。
こんな疲れ果てたM様の姿は初めて見たから。この想いや、この全集中した貴重な時間に心から感謝できた。
今日のサロンワークでは、普通にお喋りされるお客様のカット中も、髪の毛一本一本が綺麗に見えた。
コレをこれからもずっと継続していきます。熱く語ってしまったやん。最後まで読み切ってくれた方々には、何をあげようかなぁ(笑)。
今夜も深い眠りを、楽しい夢を見られますように。