エッセイ 小説 絵本・漫画 絵本 動物 現代社会 人気連載ピックアップ 2025.02.17 わたしは小さな箱に入れられ、出荷された。死なない程度にエサも制限したから大きくはならないだろう。その方が、高値で売れる。 【前回記事を読む】「1匹死んでないか?…もういい乳が出てないんだな」にんげんは、残された私をつかまえようと手を伸ばす。 次回更新は2月18日(火)、18時の予定です。 【イチオシ記事】あの人は私を磔にして喜んでいた。私もそれをされて喜んでいた。初めて体を滅茶苦茶にされたときのように、体の奥底がさっきよりも熱くなった。 【注目記事】急激に進行する病状。1時間前まで自力でベッドに移れていたのに、両腕はゴムのように手応えがなくなってしまった。
小説 『泥の中で咲け[文庫改訂版]』 【第7回】 松谷 美善 母さんが死んで、一人で生きていかなければならなくなった。高校中退後、月6万円での生活。お墓も作れず母さんの骨と一緒に暮らした 一日中、使いっぱしりをして、クタクタになって部屋にたどり着き、買ってあった少しの菓子を貪り食うのもそこそこに、重たい泥のようになって、布団代わりの寝袋に潜り込む。小さい頃から運動習慣のなかった俺には毎日が、筋肉痛が出るほどキツかった。毎朝、四時に目覚ましをかけて、まだ眠くてフラフラしながら起きる。風呂のついている部屋は、最初からはもらえない。申し訳程度についた小さなキッチンの流し台で、頭を洗って…
小説 『白い陥落~看護学生あずみの事件簿 2~』 【最終回】 叶浦 みのり 男を「狩る」ストーカーにカッターナイフで切りつけられ、病院送りに…それでも兄は、被害を表沙汰にできなかった… 【前回の記事を読む】「結婚の約束をしています」ストーカー女の衝撃発言――玉の輿に乗りたい女性秘書が社長代代理に付きまとい、自宅にまで押し掛け…彼女を採用するにあたっては、古い考えの経営陣の意向が大きい。隼人の個人的な意見はあまり採用されなかった。経営陣としては、もともと女性秘書などお飾り程度でいいと思っていた。海外出張のときに通訳さえしてもらえれば、あとは男性秘書がほかにもいる。男性秘書は業務面…