はじめに

この本を手に取っていただき、心より感謝いたします。

はじめまして。

暮らし方研究科・業務改善4Sコンサルタントの根原典枝です。

1972年生まれ、沖縄で片づけとお掃除の小さな会社(株式会社暮らしかたらぼ)を経営すると同時に、企業向け4S(整理・整頓・清掃・習慣化)指導を通して業務改善コンサルティングを行っております。

私はこれまで、日本全国各地800件以上の個人宅の片づけの現場を訪れ、また数千人のセミナー参加者の方とお会いしてきました。依頼者はもちろんのこと、大半のセミナー参加者は、家が片づかないことで悩み、ご自身なりに試行錯誤しながらやってはみたものの思うような結果が出せなかった方々です。

では、なぜ思うような結果を出せなかったのでしょうか?

理由はとてもシンプルで、大きく分けて3つあります。

1つ目は、正しい方法が分からない。

2つ目は、本気度が低い。

3つ目は、片づける習慣がない。

それに尽きると思います。

目的達成をするうえでは、課題が何であれ苦手なことについては特に、その課題を解決するメリットや求める結果が明確でないと、ほとんど三日坊主で終わります。逆に課題解決が必要だと判断し決断実行できる人は、たとえその過程で困難なことがあったとしても、原因を追究し、あの手この手を考え進み続けます。

ですが正直、家の中の片づけを課題に挙げても、客人を迎え入れない限り家族以外の誰に見せるわけではないので後回しにできますし、生きてもいけます。また、良いか悪いかは別として、人間は環境に順応できる生き物なので、片づけられていない空間がいつしかいつもの見慣れた景色となります。

そしてその環境に慣れつつも、時折、乱雑になった部屋を見てはイライラして家族を責めるか、自己嫌悪に陥るかを繰り返し、ついには「片づけは永遠のテーマ」というループにはまってしまうのです。

そこで、本書では、片づけの習慣を持つための考え方やその方法をまとめました。

私自身片づけの習慣がなかったことでたくさんの失敗や時間をムダにした経験があります。その経験から片づけの習慣を身に付けるためのプロセスを経て気づいたことや方法を紹介することで本書が片づけの習慣化への一助になることができれば最高にうれしく思います。