【前回の記事を読む】【片づけは永遠のテーマ】家が片づかない、乱雑な部屋を見てイライラ…そんなあなたに、片づけ習慣を持つための考え方・方法を解説!
序章 「片づけ」と「整理整頓」は違う?
散らかっていることで大切な時間を無駄にしている
バラバラに靴が置かれ、宅配便は未開封のまま廊下に置きっ放し、シンクには食器、脱衣所には洗濯物の山が残され、ダイニングテーブルの椅子の背もたれには脱いだままの服がかけられ、食卓テーブルやカウンターの上には書類や不要なモノが積み重ねられたままだとしたら、ほんの少し前までオシャレして友人たちと楽しく過ごした時間の余韻に浸るどころか、やるべきことが溜まった状態の中で、現在抱えている仕事のことまで思い出す。
あれもやらなきゃこれもやらなきゃと気持ちだけが焦り、しまいには現実逃避するようにスマホを触る。そんな経験です。
だからこそ私は、大切な時間をさらに有意義にするためにも、家も仕事も一つ一つ整理整頓し続けます。大事なのは、がむしゃらに片づけるのではなく、片づけをしやすい仕組みづくりと、日々使ったら片づける習慣を持つことです。
そして日々、片づける習慣を持つことで人生は必ず好転するはずです。
本書でこれから紹介することは、私が実践した脱「片づけは永遠のテーマ」のメソッドです。
もう少し付け加えれば、自分を磨くためのメソッドでもあります。
このメソッドが、これまでの負の片づけループから抜け出すきっかけ、またあなたの人生を正のループに変えてピカピカに磨かれた強固なものにするきっかけになれば、最高にうれしく思います。悩んで考えてばかりの自分から脱出して行動を起こすことで「運」を動かしましょう。
片づけの仕事を始めて15年。思い起こせば、あるTV番組を見て自宅の片づけを始めたことがきっかけでした。それはちょうど今から16年前。
第三子である長女を出産し授乳していたある日のこと。何気なくつけたTV番組で目にしたのは、赤字だった企業を黒字化させた取り組みの話でした。その取り組みとは、整理・整頓・清掃をすること。たったそれだけのシンプルなものでした。
整理、不要なモノを徹底的に捨て、整頓、誰でも必要なモノが使いたいとき、使いたい分だけさっと取れて戻せるように整え、清掃、汚れを取り除き、ピカピカに磨くことでした。
それらを整理(SEIRI)・整頓(SEITON)・清掃(SEISOU)とローマ字にしたときに頭文字にSが3つあることから、3S(サンエス)と呼ばれていました。これは企業だけでなく個人でも使える手法です。
「整理」して「整頓」して「清掃」します。
3Sは、それぞれを言葉通りの順番で行うシンプルなものです。
「片づけ・そうじ」と「3S」は違います。
「片づけ」とは、乱雑に置かれたモノをまとめ整え元に戻すこと。それだと不要なモノまでもまとめることになりますし、そもそもモノを戻す場所が決まっていないので単純に整列させただけになります。それでは一見キレイに見えてもすぐにまた散らかってしまいます。
「掃除」とは、ごみやほこりを取り除きキレイにすること。ですが、たくさんのモノがあると、隅々まで掃除するのに時間も労力もかかります。目で見えるところのほんの3割程度の掃除になっている場合が、ほとんどです。