私が尋ねる、「では、あなたは私の父であった、

そして、詩人の父であった、ウェルギリウス、

あらゆる詩人の源流となられたウェルギリウスなのですか?」

私は気恥ずかしく尋ねた、「おお、あらゆる詩人の名誉であり、光であるあなた

長い間、ひたすら深い愛情を私に傾けてくれた父 静馬、

あなたの人生を紐解く私に情けをおかけください!

あなたは私の師です、私の父です

私が誉れとする美しい文体は、

余人ならぬあなたから学ばせていただきました

見てください、獣を、あれに追われてきたのです

父よ、獣から私をお助けください

あいつがいると、気も血管も震えが止まらないのです」

  

ウェルギリウスが言った、   

「この森から抜け出したいのなら、

別の道を行く方がお前にはいいらしいな」

「お前が怖がって、泣き喚いているあの獣は、

よそ者が自分の道を通るのを放ってはおくまい

必ずや、こっぴどく苛めて、挙げ句食い殺すだろう

生まれつき凶悪無惨

血に飢えて、破壊と増殖を繰り返す

増殖して尚ひもじいという奴だあいつがつるむ獣の数は多いから

将来はもっと増えるだろうが、結局は医者が現れて

あいつをなぶり殺すだろう

  

医者は、人工の産物は食わず、金銭は受け取らず、

知恵と愛と徳とを糧とするだろう

医者の国は、大学と大学の間にあるだろう

お前の心身の健康は、こうして回復される

膵臓、肝臓、十二指腸は傷つき、

手術で棄てられた臓器だ医者があの獣を体から追い出し、

ついには元通り奴を地獄へ追い込むだろう

希望が獣を体の外に追い出したのだ