第1章  夫婦の問題

(9)夫婦生活を脅かす心身のストレス

▼ストレスが諸悪の根源・活性酸素を生み出す

重ねて説明します。食べ過ぎ、運動不足、飲み過ぎ、喫煙、夜更かしなどの身体的な悪しき生活習慣そのものが、やはり交感神経を興奮させて副交感神経を抑え込み、腸内環境に悪影響を及ぼしてストレスを引き起こします。

先に述べた精神的ストレスでも、身体的ストレスでも、ともにステロイドホルモンやアドレナリンなどのストレスホルモンが主に肝臓で分泌され、最終的に肝臓から活性酸素と呼ばれる物質が過剰に産生されるのです。悪化した腸内環境から吐き出された不純物や有害物資も活性酸素産生に拍車をかけます。

皆様も一度は活性酸素なる言葉をお聞きになったことがあると思います。活性酸素とは主に肝臓で産生されるガス状の物質で、身体の隅々に容易に入り込むことができます。

過剰に存在すると正常な細胞を攻撃して細胞を傷付けたり、細胞を死に追いやったりします。一方で、適量の活性酸素は、口から入ってきた病的な微生物を攻撃し、傷付いた細胞や寿命になった細胞を破壊し排除する役割を担っています。

要するにストレスとは、肝臓で生み出された過剰な活性酸素が全身の健康障害を招くことだと言い換えることができます。これがストレスの持つもうひとつの怖い定義となります。

具体的に、たとえば食べ過ぎや運動不足は、普段以上に取り込んだ栄養成分や有り余ったエネルギーの合成、貯蔵などの作業を肝臓で余計に行う必要があり、これらが全てストレスとなって活性酸素が生み出されます。

飲み過ぎでは、過度なアルコールは分解、解毒すべき対象ですから、そうした作業を肝臓内で集中的に実施しなくてはなりません。これもストレスです。

喫煙すれば、肺内から血中に送り出される燃料の酸素量が減るのですから、全身の細胞のストレスになります。それに、タバコの有害物質が交感神経を強く刺激し、副交感神経を抑制するのです。ストレスそのものです。

夜更かしとなれば、普通なら副交感神経が活性化して交感神経が沈静化している時間なのに、交感神経が延々と燃え盛るのですからたまったものではありません。

【前回の記事を読む】ストレスが本人だけの精神的かつ身体的な不調にとどまらず、夫婦関係の不和とも密に関わっているという事実

次回更新は1月17日(金)、20時の予定です。

 

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