亜矢からも何ひとつ連絡がない。特別に親しいわけではないと考えていた自分を、今さらながら反省、いや後悔している。付かず離れずのほどよい関係を長きにわたって続けているのは亜矢だけである。お互いに困ったときはなんでも相談し合ってきた仲なのに。

【これから買い物にいかない?】

ラララインにそう打ってみた。わたしと喧嘩したことなど、亜矢ならいつものようにケロッと忘れているかもしれない。

すぐに返事がきた。おっ、と嬉しくなる。だけど、コメントを見た瞬間、ショックを受けた。

【いいよ。おごってくれるならね。ほしい靴があるんだけど】

本心だろうか。単なる金づるとしか思っていなかったのだろうか。これまで深く考えずに支払っていたことを卑しく思った。わたしは別に気前がいいわけではない。母から特別にお小遣いをもらったときにだけ、おごっていただけなのに。わたしは空しくなり返信をしなかった。

SNSはどうなっているだろう。

直ちにチェックした。利用しているのはスタスタグラムとフェイスアルバムだけ。二つとも友達やフォロワーの数はそんなに減っていないようである。しかし、SNSの友達からはわたしを心配するコメントがひとつも寄せられていない……。

最近、写真をアップしていませんね? とか。

何かあったんですか? とか。

スタスタグラムにハマッた三年前から更新をほとんどしていないフェイスアルバムならわからないでもないけれど、スタスタグラムの仲間からコメントがないことにわたしの心はちょっぴり傷ついた。

しょせんSNSの繋がりはこんなもんだ。

悟りを開いたような心境になる。

リアルな友達に会いたい。

リアルな恋人に会いたい。

二週間程度会っていないというだけでこんなに寂しい気持ちになるとは。