第二章 高校留学準備
入学試験
“Time flies like an arrow.”
季節が廻りいつの間にかその時はやってきました。陽介の中学生活もいよいよ終わりを迎え、ついに本格的に留学の準備をする時期となりました。
先に書きましたように、フェアモント・プレパレートリー・アカデミーは、南カリフォルニアでは一、二の私立の進学校で、プレパレートリースクール【Preparatory School】とは、イギリスではパブリックスクールへの進学準備をするための私立初等学校ですが、アメリカでは、一流大学への進学を目指す子供たちが入学する名門のハイスクールです。
この学校の生徒はプレッピーと呼ばれ、ある種の優越感をもって学校生活を送ることができます。したがって入学のハードルは結構高く、新宿にある留学エージェントAと綿密なコミュニケーションをとりながら、万全の態勢で臨もうということになりました。
日本人の場合は直接入学試験を受けに現地に行くのではなく、留学のエージェントで行う入試相当の英語の試験を受け、一定の実力があることを証明しなければ入学の基準のラインに乗らないため、その試験を受けることとなりました。
結果が基準点を上回っていたら次に、スカイプを使った面接試験になることを担当者から聞き、それに備えることとなりました。試験を終えて結果は文句のつけようのない点数であったため、スカイプの面接も必要のない状態で入学許可の書類が届きました。
やったー! これで晴れて留学のために全精魂を傾けて準備ができる!