二塁打王、三塁打王があれば……長嶋、川上のすごさ
次に示す表1は、二塁打王、三塁打王があると仮定した場合の獲得数である。
順序は、
1:全ての長打部門において首位を獲得した打者を優先し、獲得回数の計で決めた。
2:次に、二塁打、三塁打部門において獲得した打者を優先し、その獲得合計順とした。
3:その次は、二塁打王の獲得数を優先し本塁打王を含む合計数で決めた。
ごらんあれ! 長いプロ野球の歴史の中で、本当に本当かと思う記録がこれである。
二塁打王、三塁打王、本塁打王を複数回獲得しているのは、なんと長嶋と川上のみである。ほかにもゴロゴロいそうな記録なのに……。
複数回に限定しなくても、この3つを獲得しているのはたったの5人だけである(通算打率3割以上は25名)。それだけ、自在に打つのは至難であるということだ。そして、長嶋は何でも打てる天才だと言える。だからこそ変化に富み、派手に打ちまくっているように見え、人気につながっているのだろう。
意外なのは、まずイチローである。在籍年数が9年間であるが、二塁打王は1回だけで三塁打王は“0”である。そして、3000本安打の張本は獲得なしである。
福本は二塁打王より三塁打王の方が多い。彼は通算で三塁打115本(日本記録)を打っている。二塁打王、三塁打王の合計獲得回数は11回となり本塁打王を除く数値としてはダントツの数値である。もちろん全打者を調査すべきだが、宇佐美徹也氏のようにはいかない。しかし、ここに上げた打者はそうそうたるメンバーである。それでも二塁打王の獲得でも16名しかいない。ましてや、一シーズンで二塁打王、三塁打王、本塁打王の3つ獲得は夢の夢と言えようか(三冠王より難しいだろう。)いつか期待したいものである。