逆に風によってまさかの当選と言うこともごくたまにある。
例えば、国政選挙で比例名簿に名前だけ登録していたら思わぬ当選ということも事実として存在する。運・不運といってしまえばそれまでだが、何か割り切れない気持ちになるのが率直なところだ。
特に最近は、投票率の低下、地方議員のなり手不足、無投票当選の増加が問題視されている。でも実は、「センセイ」になりたい人は、本音では、それらのことはそれほど大きな問題ではない。なぜなら、投票率が上がっても自分が当選しなかったら意味がないからだ。投票率が低かろうが、無投票になろうが、要は自分が当選しないと「センセイ」になれない。一言で言ってしまえば、「センセイ」は自分の当選がすべてだ。だから現職議員にとっては日々の議員活動はすべて選挙のため、と言っても言い過ぎではない。いわばすべての活動は「選挙目当て」なのだ。
そしてめでたく当選すると、すでに次の選挙のことを考えてしまうのが普通だ。周りの支援者も熱心になるほど「センセイ」のことを心配して次の選挙への備えを早く進めるように指摘する。当選してもゆっくりしていられない。
そして、「センセイ」になったら、今度は議会や政党の中で、良いポストが欲しくなるのが大抵の「センセイ」たちの本音だ。議会の中では、議長、副議長、委員長などのポストがある。議長手当などのメリットも付随してくる。政党の中では代表、政調会長、幹事長などだ。いずれも政治家としての箔がつくし、発言力が大きくなってくる。政治家が望むものは「票かポストかお金」という人がいるが、これも本音だろう。
政治家は子どもたちが将来就きたい職業ランキングに入っていない。むしろイメージが悪く敬遠されている。ユーチューバーやプロスポーツ選手ほどとは言わないが、子どもたちの将来の職業の一つとして、もっと認識されるようになりたいものだ。政治家をもっと良いイメージでみてもらいたい、それが「センセイ」の一番の本音かもしれない。
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本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。