「センセイの一番の本音?」 

「センセイの本音」……私も言わせてもらっていいだろう。私は地方議員をしている。もちろん選挙に当選してのことだ。だから、日頃は「センセイ」と呼ばれることが多い。

「センセイ」になって10年以上たつ。超ベテランではないが、中堅からまあまあベテランの部類に入るだろう。初当選のときにはこんなに長くやるとは思っていなかった。

私が初当選した頃と比べて、あるいはひと昔前ほど議員に対して「センセイ」とは言わなくなったように感じている。中には議員を「センセイ」と呼ばず、「~さん」「~議員」と呼びましょうという動きもある。

大阪府議会では、議員を「センセイ」と呼ばないことを議会内で議論しているそうだ。

「先生と呼ぶことで、議員と住民の間、府の職員との間などで心理的な上下関係を生みやすい。議員が特別であるとの勘違いを助長することにつながりかねない、という指摘がある」とのことだ。

それぞれごもっともだと思うが、議会で議論すべきことは他にもっとたくさんありそうなものだ。

それでも一般的にはまだまだ議員に対して「センセイ」と呼ぶことが多いだろう。そもそも何で議員を「センセイ」と呼ぶようになったのか。

ある識者によると、「明治期に制限された選挙権の中で選ばれるのはお金持ちで、お金持ちの家には政治の勉強をする書生がいて、書生が『センセイ』と呼んでいたことが発端ではないか」と。

ホントかな? それが発端だったかもしれないが、そう呼んでおく方が議員を扱いやすいからじゃないのかな? つまり、「センセイ」と呼んでおく方が何かと便利だからだ、と私は思っている。

逆に、私は「センセイ」と呼ばれて、かえってバカにされているみたいに感じるときもある。特に役所の人に多用されることを業界では「センセイ攻撃」という。

役所の人からすると「センセイ」と呼んでおくことで、持ち上げておいて、例えば議案を通す際にはスムーズに進むように、といった思惑もあるだろう。