そ、不妊以上に、女に重圧としてのしかかるのが、「女たるもの、母性本能から子供好きであるべし!」という偏見よ!

だから、外で一言、「子供が大嫌いです!」なんて言おうものなら、欠陥人間か、サイコパスかって目で見られかねないから、あたしは皮肉なことに、「不妊」という大義名分を使って、上手くカモフラージュしてきたわけ。

またしてもED

さて、現夫と知り合ったのは、まだ前夫と婚姻中の時だったわ。そ、まごうことなき、不倫だったわね。現夫は何を隠そう、あたしの職場の直属の上司なの。彼はあたしよりも17歳年上で、出会った頃、彼は52歳の独身だったわ。

もっとも、あたしたちが入籍していることは、色々な都合から未だに職場の連中には内緒にしているの。

でも、あたしたち2人から立ち昇る、どーしても隠し切れない、夫婦であるが故の親密な雰囲気ってあるじゃない? だから、周囲はあたしたちのことを「公然の秘密で不倫しているカップル」と思っているみたいだけどね、笑。

さて、彼は、永い独身生活による不摂生で太っていたし、高身長ではあったけど、病気のせいで背骨が大きく湾曲したままで、おまけに顔はいつでも不機嫌そうな強面ときたから、好みどころか生理的に受け付けないタイプだったわね。

とにかくとーっても老けて見えたわ。無口で声も低くて、上司ガチャに失敗したかなぁって思ってしまったぐらい、イヤなタイプだったの!

次回更新は9月28日(土)、22時の予定です。

 

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