それなのに、前夫は隣で我関せずって、まーったくの知らん顔! 前夫を含めた一族に、激しい殺意を感じた瞬間ね!

ホント、35歳になるまでは、こーやって、周囲はかまびすしかったわね。

実際、あたしがまだ35歳未満だった時、婦人科の定期検診で病院に行くと、こちらは不妊治療なんてまーったく興味ないのに、勝手に営業してくるのよ。

「子作りにまーったく興味がないので、結構です!」って、キッパリと断ったら、じじぃの医者は、「この世で子供を欲しがらぬ女はいない」ですって!

いやいや、ここに少なくとも1人いるじゃないですか、子供を欲しがらぬ女が!

そーしたら、「君の旦那はそれで納得してるのかね?」なーんてえらく食い下がるから、こちらも言ってやったわけ。

「旦那は納得してるも何もインポなんで」って言ってやると、その後はしゅんと黙り込んだわね、フン、溜飲を下げた瞬間だったわ!

不妊で一番辛いのは、子供が持てないことじゃなくて、そーいう周囲の余計な反応に巻き込まれてしまうことよ。そんでもって、子を持てない自分をあたかも欠陥人間であるかのよーに、いつしか思い込まされてしまうことね。

むしろ、あたしはその後、「不妊」という、大義名分を得て、元々大嫌いだった、子供を持たなくていいと、出産・育児の呪縛から解放されたから、伸び伸びと過ごしたわよ。