ケロイド~痛みや猛烈な痒みとの戦い

一般病棟に移って手術が一旦落ち着いた頃からは、痛みもありましたが、痛みよりも痒みとの戦いでした。背中を掻くこともできず、痒み止めの薬を塗ってもらっていたものの気休めになる程度。塗った直後は効いている気がしましたが、またすぐに痒くなってきて何度ナースコールをしたことやら……。

掻いてしまうと次第に傷口が膨らんできます。それが肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)というもので、火傷をした人はほとんどの人がケロイド状態になってしまうようです。そんなことも知らずに、口の周りが我慢できないくらい痒い時があったので触っていたら日に日に膨れてきてしまったのです。

レーザーでケロイドを目立たなくできるそうで、ある時、先生から「試しにレーザー治療をやってみない?」と言われ、治るなら何でもやってみたいと思っていたので試しにやってもらったところ、口周りの皮膚が薄いのかあまりにも痛く、1回治療したきりで続ける事はできませんでした。

レーザー治療やステロイド注射、ステロイドテープなど思い付く方法で色々やってもらったり、身体を圧迫させる装具を作ってもらって着用したりしていました。

圧迫する事で身体のケロイドと痒みを抑えられるそうで、病院にいる時は着けさせてもらい、退院して最初の頃は夫の手を借りていましたが、自分で付けたり着たりができないことが悔しく、毎日誰かに頼まないといけないのが嫌になってきてしまったのです。また、圧迫されすぎて動きにくくもなっており、太って着られなくなってしまったこともあって着用を断念してしまいました。

【前回の記事を読む】血管までもが焼けた重度の火傷。散歩をしようと院内を歩くようになってからは、周りからの視線に耐えきれず、部屋に戻っては泣きまくっていた。

次回更新は9月30日(月)、21時の予定です。

 

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