小説 絵本・漫画 絵本 コアラ 大切なもの 2024.09.26 シカちゃんが「ブルーのパジャマ」を、サルちゃんが「しろいさんりんしゃ」をかしてほしいと言ってきたけれど… 【前回の記事を読む】キリンちゃんはきいろいぼうしを、クマちゃんはピンクのスカートをかしてほしいときたけれど… 【イチオシ記事】配達票にサインすると、彼女は思案するように僕の顔を見つめ「じゃあ寄ってく?」と… 【注目記事】長い階段を転げ落ち、亡くなっていた。誰にも気づかれないまま、おじさんの身体には朝まで雪が降り積もり…
小説 『にゃん太郎の冒険物語』 【新連載】 作間 瓔子 僕をかわいがってくれたのは初めだけ。そのうち気のない挨拶をして、他の用事に移ってしまうようになった。 最近は猫ブームらしいが、僕らに癒やしを求める人間たちの何と多いことか。一口に猫と言っても、人間に人種があるのと同様、猫にも品種があるのだ。僕はおそらく『ボンベイ』という種類に属していると勝手に思っているけれど、本当はただの雑種なのかもしれない。自分で言うのも何だが、僕ほど賢い猫はそんなにいないと思う。鳴き声も頭も良いうえに、漆黒のツヤツヤとした毛並みと、スマートに引き締まった体。シュッとした尻尾…
小説 『高校生SM 』 【第7回】 大西 猛 先生への思いは大きく私の心を支配した。皮肉に満ちた笑顔、優しく包み込むような笑み。数分間話しただけで、いくつもの知らないあの人を見た。 「もしかして川北さんは洗礼でも受けてるの?」「いいえ、受けてません」「じゃあ、親戚とかに信者の人がいる?」「私の周りにそういう人はいません」「じゃあ、なんでキリスト教は寛容だって思うの?」「なんでって……、そう言われると答えづらいですけど、映画とかを観て、そういうイメージができたっていうか」「例えばどんな映画?」「先生が言ってた『ベン・ハー』とか『クオ・ヴァディス』とかです」「ああ、なるほどね」…