小説 絵本・漫画 絵本 コアラ 大切なもの 2024.09.26 シカちゃんが「ブルーのパジャマ」を、サルちゃんが「しろいさんりんしゃ」をかしてほしいと言ってきたけれど… 【前回の記事を読む】キリンちゃんはきいろいぼうしを、クマちゃんはピンクのスカートをかしてほしいときたけれど… 【イチオシ記事】配達票にサインすると、彼女は思案するように僕の顔を見つめ「じゃあ寄ってく?」と… 【注目記事】長い階段を転げ落ち、亡くなっていた。誰にも気づかれないまま、おじさんの身体には朝まで雪が降り積もり…
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ 毒親の虐待と夫のDVを越えて』 【第14回】 かおる 私だけが何も知らなかった…真実は辛すぎて部屋でひとり、声を殺して毎日泣いた 小学3年生からアイロンをかけさせたのも、私の世話をしたくなかったのだろう。喧嘩の度に「なんであんたの洗濯しなくちゃいけないの」と言って、私の洗濯物を洗濯機から取り出し、私の顔に投げつけていたのも、私の世話が嫌だった気持ちの表れだろう。新田のお父さんと、お母さんが、実の親ではない。私はハッとした。「次にあんたがここに来た時、お母さんはいないからね!!」と言っていたのは、このことだったんだ…。家庭の…
小説 『標本室の男』 【第24回】 均埜 権兵衛 眠らない、疲れない、腹も減らない、そして喉も渇かない。これが生きているということなのだろうか。 どれ程時間が経ったのだろう。山の端が少し明るくなった。そしてそれが徐々に辺りを照らしていった。雲の切れ目に月が昇り始めたのだ。月明かりはその領域を拡げていった。そしてそれが湯船の辺りまで届いたと思う間もなく、「うっ」という声が漏れた。骸骨は縁に肘をかけのんびりと湯槽に凭れていた。「うっ、くっ」また正太が微かな呻きを上げた。だがそれは瀬音に遮られて骸骨の耳には届かなかった。しかし彼が、「ひゅーっ」…