第四章 教育改革

(2)高校に関する改革

一方、生活が多様化する中で子供たちを取り巻く環境も大きく変わってきている。ひとり親家庭が増え、子供たちの困窮が社会問題化している。そして、家族の介護に従事せねばならないヤングケアラーと呼ばれる子供たちも大変増えてきているという。

貧富の差によって教育を受ける機会に差があってはならない。現在、文部科学省の制度として高校生等奨学給付金がある。生活保護受給世帯や非課税世帯がその対象になるのだが、この制度は教科書費や教材費、学用品費のような学習するのに必要なものを購入するための補助金の支給や、生徒会費や修学旅行費などのような学生生活を送るうえで最低限必要な経費に対する補助をするというものである。補助額はメニューによって異なるのだが年額で約3万円から15万円程度であって、極めて低額である。

国や県、そして市区町村の教育機関は、もっと実情に沿った制度を行っていくべきだ。

高校生活を送るのに必要な経費の考え方をもっと広げていくべきだと思う。現在の高校生等奨学給付金の支給に加えて家賃、生活費など生活するのに必要なものまで行政が支給するのだ。基本的な生活の保障にまで手厚く対応していく。ここまで行っていけば、向学心を持つ子供たちに等しく学習ができる機会が与えられるのではないのか。そして支給される額は多額に及ぶであろうから、社会人になって相応に返済していく。高校は義務教育ではないが国はそのぐらいはやっていくべきではないか。

好んで貧しい境遇に置かれたわけではないだろう。いろいろな事情の中でそうなってしまった子供たちに教育の場を与えていくべきではないか。私はそう思うのだ。

最後に、各高校を単位制にしなければならなくなるだろうが、他の高校の授業も受けることができる制度があってもいいと思う。自分が勉強してみたい授業、またはあの先生の授業をぜひ受けてみたい、そういった授業があった場合に望めば受講できる、そのぐらいの柔軟性が高校教育にあってもいいだろうと思う。いかがだろうか。