昭夫も運転免許証をスキャンしたものをメールで送り、まずは無料で入会したとのこと。だが無料会員は女性のプロフィールを見ることは出来てもメールの送受信が制限されており、それでは何の意味も無いのですぐに、半年で四万円ほどの会費をクレジットカードで支払い、有料会員になった。
するとほど無くして三、四名の女性からメールがあり、その一人が先ほどの女性だった。少しメールでやりとりしてから、銀座のホテルのティールームで会うことになった。
昭夫は顔合わせのお茶をして、波長が合いそうだったら食事をするという段取りを考えていたが、先方は昭夫を合格と判断したらしく、
「これから二人で過ごせますか？ 実は夜の新幹線で大阪に帰らなければならないので」
と言われ、初対面で関係を持った。
サポートは都度四万円＋交通費二万円という条件を出され、なかなかの出費となるが滅多に知り合えることも無いような美人と大人の付き合いが出来るのだから、昭夫は久しぶりの高ぶりを抑えるのは不可能だったと笑う。
昭夫によるとその女性は、五年前に離婚してから二人の子供と実家に帰って暮らしており、仕事の時は子供たちは両親に見てもらっているという。彼女の美しさと正直さに惚れ込んで、その後も何回か彼女が仕事で東京に来るたびに逢っているとのことだった。
他にも数人の女性と関係を持ったが、今は彼女だけに絞っており、彼女に逢うために関西方面での仕事をどうやって作るか画策するのも楽しい、などと言っている。
話を聞いていると、秀司にも出来そうではないか。
俄然興味を持った秀司は、翌日、そのサイトに「ケンジ」という名で登録し、波長の合いそうな女性とのメール交換をする日々が始まったのだった。
【前回の記事を読む】彼女と深い仲になりたいが、いかんせん金が掛かりすぎる。家の金を持ち出すことは絶対にしたくないし…
次回更新は8月27日（火）、20時の予定です。
