オスは本能的に浮気性。男が複数の女性とセックスしたがるのは決して女性蔑視などではない。一人の女性と十回セックスするより、十人の女性と一回ずつセックスする方が自分の遺伝子を残す上では効率的だと本能が教えているだけなのだ。

色々な遺伝子と混交する方が、環境の変化に順応し耐えて生きのびる様々な個性を持った個体を残せる可能性も高くなる。浮気性の夫は教養の低い下劣な存在と言うわけではないのだ。本能に忠実なだけなのだ。

だが近現代においては一夫一婦制の社会集団が圧倒的に多いらしい。

人類は何万年も掛けて一夫多妻や一妻多夫、共同婚などの形態を採用してみたが、生存に適応し易い型式として一夫一婦制が定着してきたのだろう。

ヒトの集団が安定し混乱するのを避けると同時に、神の僕たる人間が獣との違いを示すために宗教が一夫一婦制を推し進めた、という経緯もあるだろうし、性感染症の蔓延を避けるためという説もある。

ある脳科学者によると、不倫型と貞淑型の遺伝子を持つ人間は男女を問わず五十%ずつだという。

不倫型の人間は一夫一婦制の社会には向いていないのかもしれないが、女性はたまたま選んでしまった夫が不倫型の遺伝子を持っていたとしても、夫の浮気や不倫などに目くじら立てずに放っておけば良いと秀司は思ったりする。

浮気など長くても四年で、通常なら一年も経たずに恋愛気分は終わり夫は身も心も妻の元に戻ってくる。小さな子供みたいなもので、妻の目の届く範囲で本能と好奇心に任せて文字通り心が浮ついただけなのだ。

第一貞淑型のオトコとの結婚が幸せとは限らない。

週刊誌などでは芸能人や政治家の不倫が大きく報道され、世間がバッシングを浴びせ掛けるよう仕向けているが、そんなプライベートなことまで立ち入る必要があるのだろうか。

雑誌やテレビのニュース番組などで毎日のように散々非難されたあげく、国会議員を辞職するはめになったり記者会見での謝罪、出演している番組の降板や恋愛関係の清算まで行かないとバッシングは止まらない。